淫らな館
-幸せな夜-

私達の館はとても古く手狭です。
襖一枚で仕切られた部屋が続き廊下もありません。
あの一件以来、夫婦生活を考える事すら出来なかった私と夫。
引越しても今の間取りだと尚更考えられなくて人間としての喜びも悦びも封印されるところでした。
そして四人の決意が固まった最初の夜です。
食事は一つの物を分かち合えるよう、すき焼きにしました。
その食事を終え、一人一人が入浴し浴衣に着替え花火もしました。
「そろそろ…、休もうか…」

夫の言葉にピーンと張り詰めた緊張が走り私は息子の部屋へ、娘は私達夫婦の寝室へ向かったのです。
さすがに最初は遠慮と恥ずかしさが先立ち、真ん中の部屋は空けていました。
でも夫の巧みなリードで娘は女の悦びの声を出し、私は息子の荒々しくて夢中な技に声を女にしたのです。
改めて本当の男と女の関係を結びました。
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