*禁忌*
-#3-
「親父も1人で心寂しいから、しばらく食事管理も含めて面倒みてやってくれよ。」
何事にも豪快な父親を気遣ってか、夫からそう頼まれました・・・後ろめたさがありましたが・・・。
夫を見送り、数ヶ月ぶりに帰って来た離れでその夜を過ごしました。
たった1人で孤独だったけれど、なぜか期待感で頭がいっぱいでした。
「おぉ〜噂しとったら来よったで!
○○は帰りよったんか?」
私は夫が居なくなるとすぐにシャワーを浴び、そこにあるはずの辱毛を、形跡すら無いまでに処理しました。
そして・・・気付くと義父の病室を再び訪れていたのです。
義父は、病人とあまり思えない同室の人達と、カーテンを開け放ち談笑していた様でしたが、私を見付けると手招きしてそう言いました。
「これがさっき話してた長男の嫁ですわ〜。
なかなかのべっぴんで色気があるでっしゃろ?
人間、元気で長生きせなアカンで〜なんせこんな上玉を弄べれるんやからな(笑)」
予想してない義父の言葉に、驚き恥ずかしさがこみ上げてきました。
いくら身なりを清潔感で固めても、その言葉で私は不貞な妻となってしまったからです。
お見舞いに初めて訪れた時は、夫より一歩後ろに寄り添い挨拶をしていた女が・・・義父の辱めを受け悶える女だと、その時ここにいる人は認識できたでしょうか・・・。
少なくとも、私はその雰囲気は出していない・・・夫やその兄弟、親戚の前では・・・。
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