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なにもかもが初めての感覚だった。そして、その感覚は決して快感につながることのないものだった。だが、オレは当初の目的を忘れていなかった。
「ああぁっ、ゴメンゴメン!」
男が慌ててティッシュを取りに行く様を愉快に思いつつ、更なる愉快を求めて、オレは口の中にあった物を喉を懸命に動かして飲み込んでやった。
「気持ち悪かったでしょ!?さあ、ティッシュ持ってきたから吐き出して…」
そんな男の様子に満足しながら、オレは悠然と言ってのけた。
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