愛姫。
-ふたご。-

里美の双子で僕の悪友。奴の名前は「和子」という。和子はそれとなく僕の気持ちに気付いていた。
二卵性でまったく似ていないのに変な所で気を遣うのはそっくりで、和子は僕にとっても姉のような奴だった。
悪い事も、全部和子から教わった。「里美は耳が弱いんだよ」なんて話しもよく教えてくれた。
でもそれは、僕を「安全な男」と判断していたから。
違う…違うんだ。僕は安全な男なんかじゃない。僕の真意を知らないままだった和子。本当に、愚かな悪友だったと思う。
僕はあの、和子が不在だった一ヵ月の間……里美の体に僕を植え付けた。
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