-序章2-

そこに、いやらしい目つきでオレを観察している、痩せて小柄な初老くらいの男が一人。目の前を何往復もして、オレの気を引こうとしているのは明らかだった。
「(さっきからなんなんだよ、気持ち悪ィな…)」
その内飽きて、離れていくだろう……そう思ってオレは、男がオレに幻滅するように、大きな口で口の周りを汚らしく汚しながら買ったパンを頬張って見せた。
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