二十日鼠の檻
-1ー4-
成長するにつれ私は余り自分の事を語らない人間になっていた。
というよりも自分の気持ちを表現するのが出来なくなっていた。
自分の事は自分でする、トラブルが起きてもなるべく自分自身で解決させる。
人には慕われ易いタイプと言われるようになったが私は誰かに心底頼ったりする事が出来なかった。
中学生になる頃、鬱屈が溜まるとリストカットをするようになった。
切る瞬間の高揚感が忘れられなく何度も悪い事だと思っていても止める選択はなかった。
酷い時は深く縫うほどの傷を作った事もあった。
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