*禁忌*
-#3-
この日はたまたま風が強かった・・・そして偶然が重なった・・・。
結果的にはそうなるかもしれませんが、お花が綺麗に咲いているからと訪れたあの高台の公園で、思わぬ痴態を友人に見せてしまったのです・・・。
「桜の花びら・・・綺麗だね。」
友人は足元に落ちていた桜の枝を拾おうと、しゃがみこんだのです・・・。
折れて落ちたにも関わらず、ピンク色の花びらを満開とさせているその枝を、私も一目見ようと友人に近付いた瞬間・・・私を見上げた友人の顔が、ひらひらとしたモスグリーン色で遮られたのです。
一瞬、何事か起こったのかわかりませんでした・・・。
スカートが、風の悪戯でこんなに舞い上がることは珍しかったし、下着を付けていないことが多かった私には、局部に感じる暖かい風も、普段となんら変わりなかったのです。
やっと事態を飲み込めた私が、ひらひらと舞うワンピースの裾を押さえた時・・・モスグリーンの視界から現れたのは、友人の驚きのあまり固まった表情だったのです。
慌てて裾を押さえた時には、もう全てが遅かった・・・お互いどうしていいかわからず、一生懸命に言葉を考えている沈黙の時間だけが虚しく過ぎました。
友人に、もしこんな変態な姿を知られたら、これからどうなるんだろう・・・と、妄想するだけの世界で興奮を得ていたのに、いざ露見してしまうともうどうしていいものか・・・軽蔑した視線を浴び、パニックになった私はただ涙を流していました。
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