*禁忌*
-#3-


もう・・・スコッチのビンも半分くらい無くなり、その話し声がキッチンに居る私にも聞こえてきました。
我を忘れた夫の自虐性がどんどん表に出て来ている・・・。








けしかけてるのは・・・あの人なのね・・・。







なすすべも無く、来客者の巧妙な言葉のトラップに、正気を忘れた夫は操られる様に、夫婦の赤裸々でデリケートの部分まで口にしてしまいました。




男って生き物は、いくら世間体を気にしていても、美人な女を見ればその裸を想像してしまうものなんだよ・・・例えばそれが愛してやまない人の横にいようともね。




そう聞かされたことが思い出されました。








「へぇ〜それは凄い。
あんな美人がね・・・何よりも君と出会うまで、処女を守り通していたことに驚きだよ。
昨今、珍しい貞淑な奥さんなんだね〜(笑)

そんな奥さんが、君に跨ると恥ずかしげも無く大声で喘ぐなんてな(笑)なんとも驚きだよ。」


年配の来客は、私に何度も視線を送っていました。


身内の誰かが語ることがなければ、表に出ることが無い痴態は、こうしてこの男の知る所になってしまったのです・・・極めつけな情報の<無毛>であることも・・・。
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