*禁忌*
-#3-

昼食が終わっても、なんらリアクションを起こさない青年・・・当たり前なことなんだけど、欲情している私には焦らされている感じがしました。

私の何気ない行動でもその視線が、痛いくらいに突き刺さっているのが解っていたから・・・。




「そろそろ僕・・帰ります。ご馳走になりました。」


いくら欲情していても、いくら自分を分析していても・・・女の子の部分が邪魔をして<恥じらい>を捨てきれませんでした。




玄関へと歩く青年・・・警戒心が一瞬緩んだのでしょうか、思いがけない言葉を発したのです。


「お隣さんが○○さんみたいな綺麗な人だと、なんだか緊張しちゃいますよ(笑)」


『お世辞でも嬉しいなぁ〜(笑)』


「本当ですって!優しいですし、清潔感が伝わりますし・・・。
美晴さんみたいな奥さんをほったらかしにしてる旦那さんが解りませんよ(笑)
彼女居ない歴が年齢と一緒の僕が言うことじゃなんですけどね(笑)」


『えっ・・・?』


「だって昨日も旦那さんが遅かったのに・・・あっ・・・えっと・・・。」


何を言いたかったのすぐにわかった。
書いてきた様な、卑猥な願望がありながらも、私生活を盗み聞きされていたことへの悲しみが、表情に出たと思います。


潤みだす瞳で視界がぼやけていましたが、青年は焦りをあらわにしていました。
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