*禁忌*
-#2-

「○○も出張で居ないんやから、たまには一緒にメシでもどーや?
ワシも淋しいのや・・・。」

義父にそう言われ、母家へと出向きました。

夜間でも残暑厳しい季節だったこともあり、義父はランニングにトランクス姿で、ビール片手に出迎えてくれました。


「メシなんぞ作らんくてえ〜!
刺身と寿司をこーてきたから、たまには羽を伸ばして飲みや!」


下品に笑う姿が夫とは違い、似なくて良かったと苦笑いしてしまいましたが、驚いたことに義父のたくましく筋肉質の腕や胸板に一瞬目を奪われました。太鼓腹はさておき・・・・・・。




たしかに夫とは違い、何でも豪快な義父・・・下品さもあるけれど、優しくしてくれた部分も沢山ありました。
特に姑ともめた時、必ず私の味方をしてくれていた義父。
姑が亡くなって、可愛いがっていた義姉さんもお嫁に行ってしまうと、淋しさからあんなことをしたんだと、どこか切なくなりました。








「美晴もなかなかいけるね〜。」


終始上機嫌な義父。
ビール瓶が何本か空くと、日本酒の一升瓶を出してきて私に注いできました。


「○○はワシに似ず、女みたいな顔してるし、勉強ばっかりしくさってたからな〜。
まぁ〜おかげで綺麗な美晴が来てくてんけどな!
美晴の綺麗さは自慢やねん、ツレらも羨ましがっとったわ〜。」


お世辞でも嬉しかったが、最近パート先のジムに義父と同世代の男性が増えたことを思い出していた。








偶然・・・・・・だよね?








テーブルの上は空の桶が列び、隅にあった生姜を手で摘むと義父は口に入れました。
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