*禁忌*
-#3-
どれくらいの時間が経ったのかわかりません・・・。
酔ってすっかり眠り込んでしまっている夫に、タオルケットを掛けるとその男と外に出ました。
『こ、これは・・・い、いったい・・・ど・・・どう言うことなんですか・・・。』
マンションの駐輪場の脇で、震えて声すら出そうにないのを振り絞り、その男に問いました。
「世間は狭いものですよね・・・奥さん・・・。」
不適な笑みを浮かべるその男は、一気に私達の距離を縮めると耳元で囁きました。
「逃がしませんよ・・・奥さん・・・あなたみたいな最高級の牝はそういない・・・。
あなたも望んでいるんでしょ?男の玩具になって辱めを受けることを・・・。」
距離を取ろうと一歩下がると、またそれを縮められる・・・。
[嫌・・・近寄らないで・・・]
「奥さん・・・どうなんですか?」
さらに下がる・・・獣の様に私を見る目つきは、以前の割り切ったお遊びの時に見せていた○氏のものではなかった・・・。
「旦那さんで満足できるんですか?」
もう・・・紳士に思えた○氏は、ただの変質者にしか見えてこなかった・・・。
「旦那さんはご存知ですか?
あなたが淫乱な人妻なのを・・・。」
背中に冷たい圧迫感が伝わった。
それはもう・・・身体にも・・精神にも・・逃げ道が無い壁際だったのです。
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